「ペインクリニック」や「神経ブロック」という言葉から、どんな治療を想像されますか?

 痛みで苦しんでいる患者さんに、「この痛みは注射で楽になりますよ。」と説明すると、「単に痛みを取る麻酔的なものなら我慢します。」とか「痛み止めの注射は癖になると聞きました。」という答えが返ってきます。これは間違った認識です。

 痛みは早く取らないと「痛みの悪循環」が起こり、さらに痛くなることもあります。神経ブロックは、この悪循環をブロックし、さらに血流を増やして自然回復力を高める働きがあります。決して「一時しのぎ」の治療法ではなく、即効性のある治療法のひとつです。

 頚椎椎間板ヘルニアを例に、このメカニズムを説明します。椎間板の一部が、肩や 手につながる神経を圧迫して、神経周囲に炎症が起こります。神経の過敏な状態は反 射性に筋肉の収縮を起こし、筋肉内の血管が圧迫されて、筋肉に酸素が届かなくなり ます。このために血流循環の阻害→筋細胞の酸素欠乏→細胞内から痛みを起こす物質 が遊離→痛みの増悪という、「痛みの悪循環」が形成されます。

 神経ブロックは、局所麻酔薬と神経の炎症を抑える二つの薬を使って、「痛みの悪 循環」を断ち切る治療法です。局所麻酔薬は単に痛みを感じる知覚神経を抑えるだけ でありません。運動神経に作用して筋肉の緊張を和らげ、さらに交感神経にも作用し て血流を改善させることが出来るのです。
 同じ姿勢で長時間仕事をしていると「肩凝り」が起こりますが、この原因も筋肉内 の血流阻害です。むち打ち損傷の多くの患者さんが訴える「肩凝り感」は痛み止めの 服用だけでは改善しません。首の筋肉が緊張し続けると、頭痛や吐き気まで起こりま す。これらも頚部の神経が興奮状態となっているのが原因ですから、筋肉の緊張を取っ てリラックスした状態を作る必要があります。

 ペインクリニックは、注射以外にも、経皮的神経刺激療法や温熱療法を組み合わせて「痛みの悪循環」を断ち切る治療をします。注射が苦手な人も遠慮なくご相談下さい。

 脳を介したより詳しい「痛みの悪循環」を参照して下さい。

 

Copyrights(C) 2001.All rights reserved by SHIRAISHI SEIKEIGEKA-NAIKA CLINIC